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2019年12月31日 本のこと

フランスの美しいバラの村、スミレの村

大みそかの今日実家でのんびりしながら、久しぶりにこの本を手にしました。

この本は、フランスを拠点に活動されるジャーナリストの後藤綺子さんが写真家の斎藤亢さんと共に作られた本です。フランスの生活の中に息づく「アール・ドゥ・ヴィーヴル」(生活の中のアート)の精神に深く関心を寄せられていて、そのテーマでの3冊目の作品になります。

フランスの小さく美しい2つの村、バラの村ジェルブロワとスミレの村トゥーレット・シュール・ルーで花とともに麗しく生きる人々の幸せな暮らしが、優しく美しい写真とともに綴られています。

写真が本当に素敵で、文章を読まずパラパラと写真だけを眺めていても、幸せで優しい気持ちになれます。写真家の方の腕がいいのはもちろんですが、花の美しさと愛する村で自分らしい価値観で幸せに暮らす人々がところどころで見せてくれる表情も心に優しく響きます。

そして、文章もいいです。村の歴史、村で暮らす人々の生活、お祭りの様子、花の種類、名前の由来など読んでいて楽しい気持ちになります。

パリのイブ・サンローランで働いた後ジェルブロワに移り住み、「私はすっかりバラに恋しているの」と言いながら素敵な庭での時間を楽しみながら暮らすマダム・キャペロ。

「スミレの里」と形容されるトゥーレット・シュール・ルーのお祭りで、主役のスミレを引き立てる本来明るく華やかなミモザ。

小さくキラキラした文章がいっぱいです。この本は15年ほど前に出版されています。いいものは時間がたっても色褪せないのだな~、と感じました。