ブログ
Blog

  • ホーム
  • 本のこと
  • 「ききがたり ときをためる暮らし」

2019年8月29日 本のこと

「ききがたり ときをためる暮らし」

つばた英子さんとつばたしゅういちさんの生活と生き方を綴った本です。こんな風に歳を重ねていけたらいいな、と憧れを持っていつも読ませていただいています。

つばた英子さん・しゅういちさん

本が書かれた時点で合わせて171歳のおふたり。

高蔵寺ニュータウンに木を植え土を耕し、自分たちの手で作った雑木林と畑とともに、建築家アントニン・レーモンドの自宅兼アトリエをモデルに修一さんが設計した丸太小屋でときをためる暮らしをされている英子さんと修一さん。

おふたりの生活は、ドキュメンタリー映画「人生フルーツ」でも紹介され、多くの人の心に温かくじんわりと響きました。

「だんだん美しくなる人生」を目指しているという修一さんの言葉どおり、現代を生きる私たちが忘れてしまった何か大切なものを感じさせてくれるご夫婦です。

内容

この本はライターの水野恵美子さんが写真家落合由利子さんと共に1年かけて英子さんと修一さんを取材したテープをもとに書かれています。あとがきで書かれているように、通常の取材ではなく、おふたりの生活に寄り添う形で行われたようです。特に構えて何か質問されるわけでなく、おふたりの生活を変えることなく行われた取材から、こんな素晴らしい本ができたのですね。

畑や雑木林、おふたりの生活の様子や英子さんが作ったとても美味しそうな料理の写真と共に英子さん、修一さんのそれぞれの言葉が綴られています。

その言葉のひとつひとつがさりげなくて、そして深いです。

「とにかく 見守る」

もっと動物的な感覚を研ぎ染ました方がいいと思うんですよ。いろいろ話し合うより、先に自分の頭で考えてみる。よく見てあげて、気づいてあげるのね。みんな同じじゃないんですもの。一人一人、みんな違う。マニュアルなんてないの。

「自分に具わった感覚で、物事を判断する」

自分に何が必要がを考えて暮らしてほしい。戦争中もなびいたけども、いまはメディアにみんなが支配されちゃってる感じですね。じぶんでね、これと思う感性を育てないとダメですよ。

「ときをためる暮らし」に思うこと

英子さんがプロローグでこう書かれています。

うちは嫌なこと、悪いことを口にするのは禁句ですから、いつも先の先のこと、楽しいことを考えて生きてきたの。不思議だけど、すると人生はだんだんとよくなっていくんですよ。だからこれからも、まあ、そういうことを考えて、生きていこうと思います。「わが人生に悔いなし」ですね。

この本は読んでいるだけで、なぜか温かい気持ちになります。

そしてふと、「自分にとって幸せって何かな」などと考えてみちゃったりするのです。。。

関連する内容 - 「きのう、きょう、あした。